革製品の大敵。水シミと戦ってみました。

こんにちは。いつもpelletteria ibonaのブログをご覧いただきありがとうございます。

 

すごくすごくショックなことがありました。

私が愛用しております。こちらの靴。

ib5504のブラウンです。商品のラインナップにはありませんが、新作を作成段階で最終候補までいった貴重な一足です。個人的な思い入れもあり一番大事に履いていましたが、今日!なんと!シミが出来ていました!!!!!

 

 

スーパーショックです、、、。ほどよい色味でどんな服にも合わせやすい大活躍の一足だったんですが、、、。

お店でお客様をお見送りするときに、「ありがとうございました」と頭を下げた目線の先に絶妙にこのつま先が。ZUCCOTTOではカフェも併設しているため、料理やドリンクを運んだり、お皿を下げたり洗い物をしたりと、キッチンの作業をするときもあります。きっとその時に水滴が落ちてこうなってしまったのではないかと思います。財布などはシミも気にせずガンガン使っていますが、靴はシミが出来ないよう最低限には気を使っていたつもりでした。

ショックでショックで立ち直れないほどです。

 

ですが!!転んでもただでは起きません。せっかくなのでこのシミをブログのネタにしようじゃないかと。革製品にシミを作ってしまうケースは決して少なくありません。「革 シミ 消し方」みたいな検索をしている人も山ほどいるのではないでしょうか。

私のこのシミとの格闘を記事にしよう。うまくいけば参考にしてもらえると、挑戦をすることにしました。

 

格闘その1  クリームを塗ってみる

革にはとりあえずクリームを。誰でも思いつくと思います。確かにちょっとした擦り跡やぶつけてしまった部分もクリームを塗ることで目立たなくしたり、場合によっては消えてなくなることもあります。私の予想では、水シミであればおそらく意味はなさそうな気がします。しかし、油シミでは何かしらの効果がある可能性もあると試してみました。この靴はまめにクリームで磨いていたので、表面にはそれなりの層ができており、少々の水ならはじくこともしてくれると思っています。これだけきれいに一滴のシミが出来るという事は油によるシミなのではないかと思います。

しかし結果は残念ながらシミは消えませんでした。もしかしたら水シミだったのかもしれませんし、油シミでも効果がないのかもしれません。画像はありませんが、とりあえず靴がピカピカになっただけで終わりました。

 

格闘その2  水ぶきをしてみる

調べるとこれが一番多く出てきました。一番お手頃で簡単な方法な気がします。調べたとおりに濡らして硬く絞った布を使ってこすらずに軽くたたくようにぽんぽんとしてみました。

結果がこちら。

めっちゃきれいになった!!

と思いましたが、よくみるとこんな感じです。

見えにくいですが、シミの輪郭が残っています。ですが、まあこれでいいかなと仕方なく妥協することにします。

この後はやろうと思っていたけどやらなかった方法をご紹介します。

 

格闘その3(やらなかったけど)  靴クリームを塗る

やることはその1とほぼ一緒ですが、使うクリームは無色のクリームではなく、工房の仕上げ場で職人さんが使っているブラウンの専用靴クリームです。薄塗りを重ねてブラウンの色をのせていこうと思っていました。

 

格闘その4(やらなかったけど)  塗料を吹き付ける

これは最後の手段ですね。工房で底などを染める時に使う専用の染色室にて塗料で色を作って吹き付けようと思っていました。この作業は難しいので自分ではなく社長にお願いするしかありません。これをやれば基本的にどんな革どんな靴でもシミを目立たなくすることが出来ます。しかし、革の表情など、革らしい雰囲気を損なう恐れもあるためあまりおすすめできませんし、普通の家庭でそういった環境も設備もないかと思います。

 

まとめとして、今回革にできてしまったシミは水拭きをすることである程度目立たなくすることが出来ました。しかし、今回がたまたまうまくいっただけでシミや革の種類、ついてからの時間などでいい結果が出ないことも多々あるかと思います。私がやったどの方法も基本的にはシミを抜くのではなく、ぼやけさせて目立たなくする、上から色を付けて目立たなくする作業です。革製品の修理を専門に行う所でも実際に行う作業は同じようにシミを抜くのではなく、なじませたり、シミの一番濃い色と同じトーンになるように全体の色を濃くすることで見えなくするという作業がほとんどだと思います。シミが出来る前、まったくの元通りに戻ることはないといっても過言ではないくらいに難しいようです。

 

大事な革製品にできるシミを防ぎたい方は、ぜひとも防水スプレーなど対策をばっちりされることをお勧めいたします。大いなる犠牲を払った私の分まで大切にしてあげてください。

 

 

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