本革財布の作り方 ミニL字財布編①

こんにちわ。いつもpelletteria ibonaのブログをご覧いただきありがとうございます。

今日は最近の私太田の製造の様子をお届けいたします。まだまだ作ったものが商品になることはないのですが、練習としてやっている作業で、私のこの1年の集大成ともいえるのでぜひご覧ください。

先輩職人監修のもとでの作業になりますが、レザークラフトなど革小物を作る趣味をお持ちの方にも楽しんでもらえるといいなと思います。企業秘密というと大げさかもしれませんが、一部記述していなかったり画像にしていない点もありますのでその点ご了承ください。

 

今回作るのはこちら。

ibonaの取り扱い商品ではないのですが、名進として製造している、姉妹ブランドのzuccottoで販売しているスリムウォレットです。最近は女性のバッグは小さいものが流行です。それに合わせて小さい財布も企画され開発されました。カラバリ、革の種類も豊富で、メンズライクな革でも販売しており人気の商品です。お値段もお手頃で、彼女さんや彼氏さん、家族や友人へのちょっとしたプレゼントにも最適です。いろいろなメーカーさんから販売されているこの形の財布。zuccottoではマチのない、よりスリムなものを販売しています。それでもカード、お札、小銭と一通り入ります。革の必要な分だけ伸びる特性で、たくさん入れる方はふっくらと膨らみ容量が増えます。逆にそんなに入れない方は最初のスリムな形をキープし続けます。試作したサンプルをモニタリングとして使っていたスタッフは今でもずっとこの財布を使っているくらい便利な商品です。

 

工程としては

①裁断(先抜き)

②貼り合わせ

③裁断(後抜き)

④コバ面の処理

⑤ファスナーの貼りこみ

⑥ファスナーの縫製

⑦小銭入れ、全体の貼り合わせ

⑧全体の縫製

⑨コバ面の処理

⑩仕上げ

以上の工程です。細かく上げるとこれらの間にいろいろな工程がありますが、ざっくりとではこの工程で完成します。今回は①~④の工程をご紹介します。

 

 

①裁断(先抜き)
使う革はこの5枚、左から小銭入れ、表革、裏革です。合皮や生地は使用せず、裏もすべて本革の贅沢な作りです。

では早速作っていきます。①の裁断したものが上の画像です。表と裏の革は、先抜きと呼んでいますが実際の製品より一回り大きく裁断してあります。

②貼り合わせ

次に②の貼り合わせ。今回は革の厚みが絶妙で必要なかったのですが、いつもは貼り合わせの前に漉きの作業があります。

この作業に関してはそれなりにこなせるようになりました。工程は以前の記事

ibonaの現場

をご覧ください。張り合わせたものがこちら。

ローラーを掛けるときに勢いあまって机の角にぶつけてしまいました・・・

どんなに綺麗に貼り合わせてもよく見ると表革と裏革にずれが出てしまいます。

後抜きをすることでこのずれは解消されます。ibonaの工房では基本的にこのずれの解消やコバ面をきれいにするために裁断は必ず最低2回行っています。手間がかかりますが商品のクオリティのため欠かせない工程です。

③裁断(後抜き)

これをもう一回裁断し断面を整え、製品のサイズに裁断するのが③の裁断(後抜き)です。

後抜きをするとこんな感じでずれも綺麗に整います。残念ながら角がギザギザになってしまいました。抜型か裁断版の変え時かもしれませんね。今回はこの後の④コバ面の処理で綺麗にしていきます。

④コバ面の処理

この製品はコバ面を顔料で塗り、コーティングしていきます。磨き上げるナチュラルな処理よりも、女性のお客様は比較的このように綺麗な色でコーティングしたほうが好まれる気がします。塗っては乾かし、目の細かいヤスリで磨いてはまた塗ってと何度も繰り返して綺麗に処理していきます。

画像下の丸いのはジュースのボトル缶のふたです。顔料を塗ったものを机につかないように乾かすために自作した台です。缶のふたを重ねてセロハンテープで止めてあります。3段階の高さがあるので一気に塗るときに省スペースで作業ができます。

 

今回はここまでです。顔料を乾かす時間がかかりますのでここまでで2時間以上はかかりますが、実際の作業時間は30分かからないくらいです。次回この後の工程も書いていこうと思います。今回はミシンなども使っていないので職人の仕事感がないのですが、実際は機械を使わない手での作業の方が難しく苦戦しています。次回はミシンもかけていきますのでお楽しみに。

 

 

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