ibonaの現場

こんにちは。本日も pelletteria ibona のブログをご覧いただきありがとうございます。

本日は太田が担当いたします。

 

今日は私が任されている作業の一つ、革の貼り合わせをご紹介します。

一番新米の私が担当しているので、作業工程としては一番簡単なものになりますが、その分どんな方にもイメージがしやすい作業かと思います。

 

まず貼り合わせとは何なのか。答えはそのままの、複数の革を専用の接着剤で貼り合わせることです。

なぜこんなことをするのかといいますと、革にはオモテ面とウラ面があります。表面は型押し加工や、エナメル加工のように商品になったときに見栄えよくするために綺麗に加工されていたり、風合いを生かした革でも磨いて滑らかに加工してあります。逆にウラ面に関しては商品の内側になったりと通常使う分には見えにくくなるため、製造前の革の段階ではぼさぼさとした、素材そのままの状態となっています。

この素材感を生かした製品ももちろんありますが、ibonaではあえてそうするもの以外は必ず2枚の革を貼り合わせて、裏地になる部分も革のオモテ面が来るように製造しています。

代表的な製品がマルチポーチやエクレアコインケースなどです。

 

少しでも見える場所は全て美しく、手に触れる部分は全て肌触りよく作る。不快に感じられる要素をことごとく排除していくibonaのデザイナーのこだわりが見え隠れしています。

 

今回はエクレアコインケースの貼り合わせ作業ですが、まず道具をご紹介します。

 

 

接着剤と専用のハケ、圧着ローラー、貼り合わせの台となる敷板です。

どれも入社当初から使っている相棒たちです。

ハケは使っていくうちに毛先が短くなってきましたが、いまでもこれが一番手になじんでいます。

また、敷板ははみ出させた接着剤がゲージのようになり、どんどん使いやすくなってきています。

それでは作業工程ですが、おそらく想像していただいている通りになるかと思います。

  • 敷板に、表革、裏革をそれぞれウラ向きに並べます。
  • そこに接着剤をハケで塗っていきます。
  • ちょうどよく接着剤が乾いたタイミングで2枚を貼り合わせます。
  • 圧着ローラーで隙間なく圧着していきます。

これで完成です。

工程自体は単純ですが、シンプルだからこその難しさがあります。

ほとんどの革は、接着剤がついてしまうとシミになります。ですので、オモテ面に接着剤がつくことはもちろん、敷板のゲージなっている接着剤などが大事な部分につかないよう細心の注意を払う必要があります。

また塗る際にはハケの手数を可能な限り少なくする必要があります。同じところをハケが何度も触れると接着剤が空気を含んでしまい、後の加工段階やお客様の手に渡った後にそこからはがれることになります。そうならないよう、すべての場所を一度で塗り切れるようなハケ使いと適切な接着剤の量が求められます。

ほかにも貼り合わせるときにオモテ革とウラ革の張り、テンションを合わせることや、圧着ローラーの使い方など、挙げればきりがないほどたくさんのポイントがあります。

うまくできたと思っても、製品としては使えないと落第点。これまで何枚の革をダメにしたか数えきれないほどです。それでも今では何とかこの作業はそれなりにはできるようになりました。

一番最初に覚える作業であってもこのように細かな技術、経験が求められます。実際にやってみると ”~するだけ” と思っていた作業がとても奥深く、職人さんたちに感謝と尊敬を感じながら、それでもまだこの人達も成長の道を歩き続けているんだなと感じています。

こんな感じで作業の様子もどんどん投稿していこうかと思います。ほかのスタッフからは

もっと大変な「THE 職人」といった作業風景の投稿もあるかと思いますのでぜひチェックしてください。

 

株式会社名進

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