本革財布の作り方 ミニL字財布編②

こんにちはいつもpelletteria ibonaのブログをご覧いただきありがとうございます。
今回も太田の製造の様子をご紹介しますのでお付き合いください。
工程はこちら

①裁断(先抜き)

②貼り合わせ

③裁断(後抜き)

④コバ面の処理

⑤ファスナーの貼りこみ

⑥ファスナーの縫製

⑦小銭入れ、全体の貼り合わせ

⑧全体の縫製

⑨コバ面の処理

⑩仕上げ

前回①~④をご紹介しましたがその続きになります
前回の記事はこちら
⑤ファスナーの貼りこみ

次に⑤のファスナーの貼りこみです。あらかじめディバイダーで貼りこみの目印になる線を引き、そこに専用の糊を塗っていきます。程よく乾いたら加工したファスナーを貼りこんでいきます。

曲線を立体的に貼りこむのでカーブの部分は大きなヒダを何分割にも小さくしていきます。ファスナーがカーブにきちんと沿わないと出来上がりのファスナーがいびつでぼこぼことしてしまいます。強く引っ張ると楽に貼れますがこのカーブに可能な限りゆとりを持たせないとこの部分だけ革の内側に引っ込んだような不格好な出来上がりになるので毎回限界の緩め方への挑戦です。ここがもしかしたら一番気を遣うポイントかもしれません。革小物のお店によく行きますが、ついこのファスナー部分ばかり見てしまうようになってしまいました。

そしてもう一つのポイントはファスナーの両端、貼りこみの最初と最後の部分です。画像ではわかりにくいですが、少しだけ線より内側に貼りこみます。こうすることで全体がきれいに仕上がるのと、開け閉めがしやすくなります。

画像では片面だけ貼りこんでいますが、そのまま2枚目も続けて貼りこんでいきます。両方貼りこんだ時に両端の余白が2枚で左右対称になるように貼りこまないと同じように美しさと開け閉めのしやすさがなくなってしまいます。

⑥ファスナーの縫製

次に⑥のファスナーの縫製です。やっと登場しましたザ・職人のミシンです。この部分は結構上手に縫製できるようになった気がします。革の縁により過ぎず離れすぎずのちょうどよい間隔で縫製していきます。

⑦小銭入れ、全体の貼り合わせ

⑦の貼り合わせをやっていきます。小銭入れにファスナーがついていないので逆さにしても小銭が中で落ちないように一円玉のサイズ以下の幅で貼りこみます。その後表側2枚を貼り合わせます。

ほぼ完成の形になりました。この小銭入れと全体の貼り合わせはとても気を使います。L字になるコバ面をずれが完全にゼロになるように貼り合わせないとこの後のコバ面の処理がうまくいかなくなります。この後の縫製を考えながら貼り合わせていきます。

⑧全体の縫製
⑧の全体の縫製です。先ほど貼り合わせた部分を縫製していきます。ファスナーの縫製に比べて革が2倍以上の厚さになるため針が斜めに入ってしまうと下まできちんと縫えず針を落とす事になってしまいます。そうならない絶妙な間隔で縫製していきます。両端にはかがりステッチを掛けます。これがデザインのアクセントにもなります。
⑨コバ面の処理
最後に先ほど縫製した部分のコバ面を処理していきます。最初の処理と同じ方法ですが、革の厚みもあり、よく見える部分なので倍以上の時間をかけて処理をしていきます。目安は貼り合わせた断面、継ぎ目がなくなるまで。繰り返し塗っては乾かし、磨いては塗ってを繰り返していきます。
⑩仕上げ
最後に仕上げと検品を行います。型だしと糊、顔料の処理を行います。最終チェックが入る私にとっては一番緊張する場面です。
以上でスリムウォレットの完成です。これまで何度も作ってきましたが、まだまだ100点には程遠いかなと思います。修行修行の毎日です。
こんな感じでどうやって製品ができているのか、製法からその製品の魅力もお伝えできればと思います。ちょっとしたシリーズ化ができたらいいと思っています。
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