本革にこだわる理由

こんにちは。本日も pelletteria ibona のブログをご覧頂きありがとうございます。
最近飼い猫の噛み癖がひどく、頭を悩ませている太田です。
私や子供を噛むことはあまりないのですが、なぜか奥さんにだけ、近づくとかみついて大変です。何かいい方法がありましたら教えてください。

今日は自分の体験も踏まえて合皮と本革の違いを、簡単にですがお話させていただきます。
そこからibonaがなぜ本革にこだわって使用しているのかを感じていただければと思います。

まず本革とは何なのか。
天然皮革とも呼ばれています。牛革をさすことも多いですが、実際は豚や羊、山羊などの家畜の革、またクロコダイルやパイソン、オーストリッチ。珍しいところですとアザラシやスティングレイなど、生き物の皮(原皮)を鞣し加工を施したものを本革といいます。
英語では皮をskin、革をleatherというようです。
株式会社名進では伝統的にこの革を命の副産物ととらえ大切に扱います。一番最初の社員教育がこれです。
クロコダイルなどの革は貴重であることと、名進独自のこだわりから使用しているのは家畜の革です。生き物なので一つ一つに傷や筋など個性があり、同じものは一つとしてありません。

次に合皮とはなんなのか。
簡単に言うと人工の革です。合成皮革や人工皮革の総称として使われることもありますが、実際はこの二つは違うもののようです。フェイクレザーと呼ばれることもあります。布地などにポリウレタンなどの合成樹脂でコーティングしたものになります。
本革と違い、大きなサイズで製造するためムラがなく品質が均一ですが、本革のような個性はなくのっぺりとした印象になります。

本革、合皮それぞれに特徴がありますのでまとめてみました。

本革(天然皮革)
・耐久性が高く、手入れをすれば何十年という長い期間使用できる。
・必要に応じて伸びる(靴にすると特性が顕著)
・使うごとに柔らかくなったりつやが出たりと変化していく
・通気性がよい
・水に弱い
・色落ちすることがある
・高価

合皮
・耐久性が低く、加水分解などを起こすので使用期間は約2~3年。
・水や傷に強い
・空気を通しにくく通気性はよくない
・手入れはできない
・伸びない
・劣化以外の変化はない
・色落ちはほぼない
・安価

まずは耐久性。これは圧倒的に本革の方が優れています。
財布や靴など何年何十年と使い続けている方もいらっしゃると思いますが、靴などをみても、革でできたアッパーがだめになるよりも先に、革以外の部分が先に痛んできます。そのくらい丈夫な素材です。修理やメンテナンスをしながら長く付き合い続けることが出来るのは本革だけです。
合皮はどうしても加水分解がついてまわります。加水分解とはコーティングに使用した樹脂成分が空気中の水分と結合して変化し劣化していくことです。バッグの内側などでよく見られますが、べたべたしてきたり、最後にはばらばらと粉のようになり表面だけが剥がれ落ちていきます。
そうなってしまうと機能を果たすことが出来ず捨てるということになります。
ものによりますが、一般的に合皮は長くて3年程度で役割を終えることになります。
私が使用しているボディバッグは他社製のもので、縁だけ合皮で作ってあったため画像のようにその部分だけがはがれてしまいました。

水や傷への耐性
これは合皮の方が優れています。表面のコーティングが水を通さず、同じ理由からぶつけても傷になりにくい性質を持っています。ただ、水を通さないため通気性もわるくなり傷がついてしまった時には手入れができないため補修も難しくなってしまいます。
よくとらえればメンテナンス不要な汚れてもいい靴という使い方が出来なくもないですが、そのような使い方をされる方は稀だと思います。

フィット感
これはどちらが良いといいにくい面もあります。本革はある程度ですがその人の足に合わせて伸びて形を変えることが出来ます。逆に合皮は伸びるという特性を持たないので買ったままの状態が長く続きます。伸びて形を変えることで緩むと感じる方もいますし、履きごこちがよくなったと感じる方もいます。この点は好き好きなのかなと思います。

色落ち
本革に必ずついて回る問題として色落ちがあります。バッグの色が服についたりソックスやストッキングが汚れたりといった問題が時々起こります。ibonaでもZUCCOTTOでも本革を使用しており、ごくまれにではありますが、色落ちしたというご意見をいただくことがあります。1%にも満たないくらいの割合で決して多くはありませんが、なんとか改善したい点です。今のところは色止め剤などを用いるか、薄い色を使うかしかないのですが、個人的には色落ちしたらラッキーだと思うようにしています。色落ちは汗や皮脂の成分や温度、圧力、生地などの条件がその革と完璧にマッチしたときにおこります同じ靴を履いても色落ちする人しない人がいて、同じ人でも色落ちする靴しない靴がある。シンデレラのような奇跡的な確率の出会いですので、せっかくならよくとらえようと考えています。ただ今のところそんな出会いに遭遇する経験が残念ながらありません。

価格
これも一概にどちらがいいとは言えませんが、本革は高価、合皮は安価な傾向があります。一生ものの相棒として付き合う方、消耗品としてとらえる方それぞれの価値観にあったものがよりよいものなのではないでしょうか。

簡単にですが製造、販売する者の考えとして列挙してみました。
ibonaで取り扱う靴はすべて本革のみを使用し合皮は一切使用していません。上にあげた長所短所を鑑みて本革にこだわり製造、販売しています。

上では取り上げませんでしたが、本革にはエイジング(経年変化)という特性があります。大事に
履いて大事に手入れをすればするほど美しくなっていきます。本革の靴は商品が完成した時がゴールではありません。むしろそこがスタートです。そこからお客様の相棒、友人として寄り添い、同じ時間を刻むことで一緒に変化し成長し艶がで、輝いてきます。

命の副産物である革を大切に扱い、感謝をしながら新たな形に変えることで

命をつないでいく。それが名進、ibonaの信念です。

 

 

株市会社名進

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