靴選びのポイント⑤
こんにちは。いつもpelletteria ibona のブログをご覧いただきありがとうございます。
zuccottoにてibonaのレザースニーカーを取り扱い始めて約2か月になります。たくさんの方に手に取っていただき、購入していただけているのはもちろんうれしいことですが、個人的にレザースニーカーで店舗に立てるのがとても助かっています。それまではzuccottoのフォーマルな靴ばかりでした。さすがに毎日長時間それだとさすがにしんどいなと思うことがあったのですが、レザースニーカーに代わってからは全く感じることが無くなりました。私の履いている靴を見て「それいいね。他の色はあるの?」と聞いてくださるお客様もいます。今の所zuccottoでの売れ行きは好調です。webショップと在庫もリンクしているので在庫が無くなるペースも早くなってきていますので、気になる商品がある方はお早めに購入されることをお勧めします。もちろん毎日職人さんが作り続けていますので時間をおいて補充されます。そのあたりも確認していただければと思います。
本日は靴選びのポイント。サイズ感編、特に女性のヒール靴についてお話します。ibonaでは扱いのない靴ですが、本革の靴を探してこちらにたどり着いた方もいらっしゃるかと思いますので、そういった方にも有益な情報となるようご紹介します。繰り返しになりますが、私の販売員としての経験に基づくものであること、すべての方に当てはまるわけではないことをご了承ください。
ibonaでは扱いはありませんが、ZUCCOTTOではたくさんのヒール靴があります。パンプスやブーツ、今の時期ですとサンダルやミュールが人気商品です。ちなみにサンダルとミュールの違いですが、正しいかは別として、かかとをストラップなどで止めるものをサンダル、とめるものがないものをミュールとするのがZUCCOTTOでの共通認識です。トングサンダルという例外もありますが、、、。
ヒールのある靴というのは靴選びがとても難しく、特にプレーンなパンプスはその最たるものです。男性の靴のように一つ下のサイズで履いてちょっときついけどまあいいか、逆に一つ大きいサイズを履いてちょっと緩いけど脱げることもないしまあいいか。というわけにはいきません。靴選びのポイント①にも書きましたが、男性の靴は甲の足首近くまで覆うデザインがほとんどですが、女性の靴は浅いものが美しいという認識があり、指の付け根の上くらいまでしか覆っていないものが多くあります。その上でヒールがあるので、どうしても足への負担が大きくなってしまいます。ヒールがあることで、足全体で支える体重のうち、踵側で支える分が前滑りという形でつま先側へ移ります。ヒールの負担、しんどさの一番はこのためです。そこにカットの浅さも加わり、脱げないよう足先でふんばるため、パンプスをはくとどうしても足のつま先側が疲れてしまいます。
ですのでパンプスを長い時間履く方にはストラップのあるものをお勧めします。前滑りを軽減するのと、脱げないように足に力を入れる必要がなくなりますのでかなり楽になるかと思います。
そしてもう一つ大事なのが今日のテーマでもある適切なサイズで履くことです。若い女性に多い気がしますが、かかとに指が1本は入りそうな隙間ができるサイズのパンプスを履いているのを見かけます。歩くたびに完全に踵が脱げてパカパカさせながら歩いていて疲れそうだなと思っています。ファストファッションでよくあるS,M,Lサイズの靴なのかなと思っていますが、先々外反母趾などのトラブルに悩まされるのではと心配になります。
パンプスに限れば靴のサイズを選ぶときにはまず踵がしっかりとフィットするかで選んでいただきたいです。その上で足先部分などに痛みがないかを考えます。ぴったりしている、少しきついかな、くらいですと、本革素材は必要な部分が伸びてなじんできます。とても窮屈、痛いと感じる場合は合っていないと断言できます。本革といえど伸びるのには限界がありますし、おそらく痛くて履かなくなってしまいます。
踵がフィットしていて前がきつい、サイズをあげると前は楽になるけど踵に隙間ができてパカパカしてしまうのであればワイズがあっていません。木型やカットなどのデザインがあっていないのでお勧めはできません。もう少しワイズに余裕のある靴をお勧めします。
逆に踵がフィットしているけれどもつま先が当たって痛い場合。これもワイズがあっていません。サイズをあげるとさらに足が前滑りをしてつま先がぶつかります。踵にも隙間ができてしまうでしょう。より細めのワイズの靴をお勧めします。
参考までにいくつか画像で紹介します。今回モデルをお願いしたスタッフは22.5cmが適正サイズ。zuccottoのほとんどの靴をこのサイズで履いています。
まずは一番難しいパンプス。6.5cmヒールのz-680をはいてもらいました。
こちらが適正サイズの22.5cm。踵に隙間がなくきちんとフィットしています。
一つ上の23cmです。踵に少し隙間が見えます。このぐらいの隙間ならまだ履けるかなとは思いますが、緩んできたときやストッキングをはいて滑りがよくなった時などはもっと隙間が大きくなり、足が前に出てしまいます。そのため脱げないように踏ん張って歩く必要が出てきます。
次はサンダルです。8cmヒールのz-1060を履いてもらいました。サンダルやミュールはパンプスと違い、少しだけ踵がはみ出ることが美しいとされており、zuccottoのサンダル、ミュールもそれに合わせて設計されています。ほとんどの方はご存知の事と思いますが、ご存じないお客様もいらっしゃるかと思いますので念のためご案内します。これもスタッフには適正サイズの22.5cmを履いてもらっています。
これは少し極端ですが、二つ上の23.5cmを履いてもらいました。踵が完全に入り切ってしまっています。2サイズでこれだけの違いがあります。実店舗では私たちがご説明をしていますのでありませんが、ECショップでは踵が出ることが適正であることをご存じなく、後ろのストラップが緩いとのご意見をいただくことがあります。おそらく踵が入り切るサイズを選ばれており、適正だと判断されたのかなと思います。実際先日ディズニーに行った時にも、踵の台が1cm以上みえるサイズ感で履かれている方を何人か見かけました。この場合当然ストラップが余るためフィット感は得られません。
次にミュールです。こちらは6.5cmヒールのz-6566。同じく22.5cmをはいてもらいました。このミュールは踵部分の後端が少し高くなっています。踵の骨がその上に乗ると痛いですが、踵のラインに沿って少しはみ出すような設計になっています。
今回も2つ上の23.5cmをダメサンプルとして履いてもらいました。高いところでしっかり止まるTストラップですが、ここまでサイズがあっていないと少し歩くだけで簡単にスポッと脱げていってしまいそうです。
最後にもう一つミュールで6cmヒールのz-4962です。今回は適正サイズの22.5cmと逆に小さい21.5cmを履いてもらいました。適正サイズは上と同じように少しだけ踵がでてとても綺麗にはけています。
小さいサイズの21.5cmです。ここまで踵が出てしまうと、バランスを崩して後ろにひっくり返ってしまうことも考えられます。踵は出気味になるのが最適であっても、重心が後ろにかかってしまうのは出すぎになります。
時期的なこともあり、サンダル、ミュールもご紹介しましたが、パンプスなど靴のサイズ感を知りたい方の方が多いかと思います。その際は一番上のz-680を参考にしてください。
しかし、踵がフィットしても前がきつい、つま先がぶつかるなど、お困りの方もいらっしゃるかと思います。そのような場合には例外ですが、踵が余っても上のサイズをお選びいただく必要があります。そのうえでストラップなどがあるタイプをお勧めいたします。
z-684 z-3204
この2足のようにストラップがあると踵がパカパカと脱げることもありませんし、前落ち感も多少ですが、軽減してくれます。
z-546 z-688
ワイズが適正でも踵が小さくどんなパンプスでも踵が抜けてしまう。そんな方もいらっしゃるかと思います。その場合は上の2足のように踵を出してしまうデザインもお勧めです。右のパンプスはかかと部分だけストレッチ素材になっていますので、よりフィット感よく、サイズが適正であればまず抜けることはないかと思います。またどちらのデザインも足の甲で止めるデザインなので前落ち感をかなり受け止め、軽減してくれるデザインです。
デザインの好みやシーンによって使える使えない靴があると思います。ですが、適正なサイズの靴を履き、可能な限り足に負担のかからないデザインのものを履かれることをお勧めします。
最後にもう一つ。実店舗にいらっしゃる方でも自分の足のサイズや形をこう!と決めつけてしまっている方が多くいらっしゃいます。しかし、足のサイズも形も、年齢などで変化していきます。もっと言えば朝と夜ではサイズが変わります。素足とストッキングでもサイズは変わり得ます。
また、一度きつくて履けなかったという経験があると自分は幅広甲高なんだと決めつける場合もあります。以前のケースですと、足長が長めで幅は細めのD~Eのお客様が自分は4Eだとおっしゃっていたことがありました。別の靴店で踵がフィットするサイズで勧められ、つま先が当たって、履くと痛い⇒自分は幅が広いんだ。そう思い込んでいたそうです。
靴も木型やカットデザインによりサイズ感は大きく変わってきます。自分は23cmのはずだ!!と決めつけるのではなく、この靴では23cm、この靴では23.5cmが適切だな。と考えていただきたいです。自分は幅広甲高だ!!と決めつけるのではなく、実際のワイズを採寸し、その上で試し履きをたくさんして合う靴を探していっていただきたいです。
たかが靴、されど靴です。身に着けるものでここまで負荷を受け止めてくれるものはありませんし、同じだけ負荷を感じることのあり得るものです。服のように合わないからといって痛みを感じることはないから、そんな風に気楽に選べるものではありません。しかし、本当にフィットする最適な靴は服では得られない至上の気持ちよさを与えてくれます。
長々と書いてきましたがまとめます。
①靴は踵で決めよう!
パンプスはきちんとフィットすること。サンダルやミュールは踵が少しはみ出るくらいがベスト。
②痛みを感じるくらいにきついものやつま先が当たるものはあっていません!
サイズを上げるか、この際別の靴を選びましょう。
③ストラップ付の靴にも挑戦してみよう!
プレーンパンプスもいいですが、ストラップは細いものが1本あるだけで劇的に楽になります。先々のトラブル防止のためにも挑戦してみてください。
④自分のサイズを知ろう!
自分は幅広だと決めつけずに本当のサイズを調べてみましょう。お店によっては採寸をしてくれるところもあります。そのうえでこの靴では○○cmと考える柔軟性もあるとベストです。
ぜひとも参考にしていただき、ベストな靴を見つけ出すことができることを願っています。また、それがibonaやzuccottoの靴であればいいなと思います。
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