身の回りにある”本革”製品
こんにちは。
イボーナwebショップの店長加藤です。
早速ですが、皆さんは身の回りで馴染み深い革製品がありますか?
ちなみに合成皮革も本革ではないものの、同じ革の仲間です。
イボーナでは本革のみにこだわって製造販売しておりますが、
身の回りにはいろいろな革を使用したプロダクトがたくさんあふれています。
鞄や、お財布。ビジネスシューズなどの革靴からスポーツシューズまで。
ソファーや椅子などの家具もそうですし、車のシートなどにも使用されていますね。
レザーのジャケットや手袋もあると思います。
ちなみに今一番近くにあるのは工房内の革のハギレで製作したマウスパットでした。
(製作といってもカットして少し整えた程度ですが)
それぞれ製品で用途に合わせた革を使用していると思いますが、本当にさまざまな種類の革があります。使用している動物も本当にさまざまです。
そんな数ある革製品の中でも、僕にとって最も馴染み深い革のアイテムは、
バスケットボールです。
黒くなってたボールはもしかしてエイジング/経年変化と呼べたのかな、。
さらによく見るとこんなつぶつぶしています。
屋外で使うボールは傷が付いてガサガサになってしまうためゴム製のものが多いですが、
試合で使用するような公式のボールは本革のものでした。
その為、今では価格も10,000円を超えていた事も納得がいきます。
しかしこのボールの細かい模様は何の動物の革だと思いますか?
こんな均一なツブツブが綺麗に均一についた動物はきっといません。
動物の種類をたくさんは知りませんが、いないと思っています。
ですが昔、綺麗に整列している模様を見て疑問に思っていたことを覚えています。
実はバスケットボールは本革の定番である牛革でできています。牛革を加工してツブツブさせています。
こういった立体的に模様をつける方法を“型押し”といいます。
イボーナで使用している革でもこういった型押しを施した革がいくつかあります。
もちろんバスケットボール模様の型押し革は一切使用しておりませんが。
コチラの商品も型押しです。
型押しとは、凹凸のある金属の盤を使用し、革の上から熱と圧力をかけることで立体的な模様をつけることです。
当店は靴工房なので、型押しなどの加工は行っておりませんが、イボーナで使用している型押しの革はすべて日本で加工している皮革です。
ですが、やはり天然素材である本革を型押し加工することで、本革ならではの表面の風合いは損なわれてしまいます。
それでも型押しの革は多く流通しているのには理由があります。
1つは
使用による傷が目立ちにくい。
細かな皺模様を型押しすることで、使用していくにつれ付いてしまう傷が目立ちにくくなります。表面に加工を施していない革は傷ができた際に目立ってしまいますが、型押し加工を施すことで目立ちにくくなります。
傷を防ぐには至りませんが、目立ちにくいとやはり扱いやすいと思います。
2つ目は、
状態のよくない原皮を使える。
牛革はもともと生きていた牛の革を使用するので、人間と同じく傷や、カサブタなど個性があります。中には傷が多いものや虫刺されのあとが多いものもあります。
そういった皮の表面を型押し加工することで、そのままの状態では使用しにくい皮をカモフラージュして革として使用することができます。
もちろん靴の場合は傷があるものだと、形にする際に浮き上がってしまうので、傷は避けるしかありませんが、そういった型押し加工がある事でグレードの低い皮も、革としてちゃんと使用することができます。
副産物である牛の革を無駄なく使用するには、こういった型押しなどの技術も必要になってきます。
3つめは
連続する模様は製品にしやすい。
イボーナではクロコダイルの型押しや、シボ模様(牛革に見られる細かいシワのような表情)の型押し素材を扱います。
その中でもシボの型押しは、わざわざ牛革を使用しているのに、その上から牛革らしいシボ模様を型押しした素材です。
そういった素材を使うメリットは、靴では左右の表情が合わせやすく、革小物の場合は製品によるブレが少なくなります。
このように型押し素材にもさまざま良い点があるため、多くの製品で使用されているんですね。
イボーナではこういった型押しの革も扱っていますが、
反対に牛革のナチュラルな素材感を活かした革も使用しているので、
またそういった素材についてもご紹介していこうと思います。
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