『ペティ・ポーチ(マキシマム)』のサイズ変更にまつわる小話。

こんにちは。イボーナの加藤です。

今回は『ペティ・ポーチ(マキシマム)』をリニューアルするまでの、少し裏側のお話。

きっかけは、半年ほど前に皆様にお願いした、イボーナの定番商品についてのアンケート。(その節はありがとうございました。)

その中でペティについて想像以上に多かったのが、「もう少し大きいと嬉しい」「スマホを変えたら入らなくなってしまって」というご意見。

とっても勉強になったアンケート。を基に話し合いをした2月。

そこからサイズを見直すこと自体は比較的早く決まったのですが、実際に形にするまでには思っていたより時間がかかりました。

ただ大きくして製作することはそこまで難しくないのですが、大きくする事で失われるものも確実にあるので、何mmが最適か。見た目はどこまで変えていいのか。今までの仕様をどこまで残すのか。というところでずいぶんと長いこと悩むことになりました。

思ったよりも多かったサイズへのご要望。

大きなスマートフォンが入らないというお話自体は、以前から何度か聞いていました。

ただ正直なところ、スマホの収納感は少し判断が難しい部分もありました。

同じように「少しきつい」状態でも、「入る」と感じる方もいれば、「これは入らない」と感じる方もいます。革が馴染めば入るものもあれば、機種やケースによっては多少サイズを大きくしても難しい場合があります。

すべてのスマホが余裕をもって入る大きさにすると、今度はペティらしいコンパクトさがなくなってしまい魅力が激減してしまう可能性も。

というか確実に激減。

今回は、そのペティの良さを消さないギリギリを狙いにいったサイズ変更でした。

マチは形自体を見直し。

サイズ変更を決めて大きさを試していく中で、マチ(側面のパーツ)だけは形自体を見直しています。

ペティの厚みに関しては、「潰せば薄くなり、広げれば膨らむ」という構造なので、多少厚くすることは問題ないという考えでした。

ただ「収納量」が今回のポイントだったので、マチを大きくしすぎると、内側への入り込み部分も大きくなってしまい、結局収納量に影響が出てしまいます。

そこで今回は底側だけを広くして、上に向かって細くなる形状にしました。

同じ形に見えちゃってますが、ちょっと違うのです。

ペティらしい軽さは残したまま、使う人の収納量に合わせて馴染んでくれると思います。

思い返すと一番悩んだのはサイズじゃなかった。

今回、新しいペティでは内側にあった小さなポケットをなくしました。
ここが、個人的には一番悩んだところ。

ポケットだけで5個記事が書けそうな気がします。

旧ペティのポケット(左)

正直なところ、実用的だったかと言われるとイマイチ。

さらに、「真ん中を縫わずにカードが入れば嬉しい!」という意見も沢山いただきました。

なんなら「無いほうが良い」という意見も聞いたことがあります。
(聞いたときはどえらいどっひゃーでした)

ポケットをカードサイズへ拡張する事も考えたのですが、

ペティ自体が薄型なので、カードポケットにカードを入れない場合に、スマホを入れる際の引っ掛かりが生まれてしまいます。

デザインした当初を思い返すと、

「カードポケットはスマホが引っ掛かるね。」

「ペティ自体がポケット感覚なので、ポケットの中にポケットはいらないんじゃないか。」

「ジーパンのポケットについている小さいポッケみたいなものならどうだろう」

「ポケット半分に割ってみよう」

「裏の縫製もアクセントになっていいじゃん!」

という流れで生まれた謎ポケでした。

“ポケット”の良いところ。

ペティに限らずですが、革鞄にポケットがあると、そこに物を収納できます。(知っていましたか?)

ですが、ナチュラルレザーを使った鞄の場合、ポケットが付いている土台の革がポケットで隠れるのが結構ポイント。

イボーナで使っている革は、天然の風合い抜群で傷も非常に多いので、構造上問題ない小さな傷はポケットの下に入るように裁断したりします。

そうすることで、革をできるだけに無駄にならないように使い切ることができます。(知っていましたか?)

ところがどっこい。

ペティのポケットは革の表(銀面)ではなく、内側についているので、別に何かを隠してくれるわけでもありません。

個人的にポケットへの愛着はとてつもないですが、そういったところでもあまり貢献してくれない、癖のある子でした。

合理的に考えれば無くしてもOKですが。

アンケートを読んでも、実際に使っても、ポケットはなくしても大きな問題はなさそうでした。

ですが、個人的にはあのポケットが結構好きでした。
(子どもに貰った折り紙の花を数年いれています)

「なに入れるかわからんけどー、なんか良いよねっ」なんて人もきっといると思います。

「あー、、。たしかにね!たしかに、たしかに、」なんて優しい人もいると思います。

普段はほとんど使わない。でもたまに「あ!ここに入れればいいじゃん!」という瞬間がやってくる。あのポケット。

入れるとしばらく放置してしまう。
あのポケット。

デザイン上のちょっとした遊びとして存在している部分で、

「あまり意味がない意味」みたいなものがあった気がします。

製品を作っていると、「便利か」「必要か」「価格に見合うか」ということを当然考えます。でもそれだけですべて決めてしまうと、少し味気ないというか、退屈というか。

感覚的な「ときめき」って大事。

ポケットを残すか、価格を据え置くか

旧サイズのポケットへの愛を語ったところで、一度現実世界に戻ります。

今回のサイズ変更で、ペティは大きくなるので当然使う革の量も増えます。
(製品に使う革の総量が増える事よりも、一つのパーツが大きくなることが裁断担当としては事件)

革の量が増えるとなると、価格についても見直す必要が出てきます。

そこで考えたのが、あまりニーズを感じていないポケットを無くして今までの価格を維持する事。

一度無くすと決めて、

「やっぱり残した方がいいかな。」

「でも価格があがるくらいなら。。」

「いやいや。あのステッチがあった方がペティらしい。」

「でも、お客さんが求めているのはそこではないよな。多分。」

「まっ。求めてる人もいるけどね。多分。」

そんなことを何度も繰り返して、最終的には内ポケットをなくすことにしました。そして価格は、これまでと同じ12,650円。

沢山の方にご愛用頂いて満足してもらえる事が大事!という事で下した決断でした。

早速大活躍してしまう。

ポケットが無くなり、折り紙の収納スペースが無くなった代わりに少し大きくなった新ペティ。

ポケット推し惜し、小さなスマホの加藤も早速愛用しておりますが、おかげさまで大活躍しております。

もともと使っていたブラックのペティは柔らかくクタクタに成長しているので、新ペティが同じくらいに柔らかく成長した時にはiPadが入るかもしれません。(冗談です)

今はサンプルのブラウンを使っていますが、早急にブラックを製作して栄光のクタクタロードを歩もうと思います。

アンケートを活かしてまだリニューアルを検討中。

半年ほど前のアンケートから実際に変更できたのは『ソイ・メッセンジャーバッグ』と今回の『ペティ・ポーチ(マキシマム)』の2つです。

半年もあったのに、、!!なんて、ちょっと悔しいですがまあ仕方なし。

新しい商品をゼロから作るのももちろん楽しいですが、何年も作ってきたものに対して、「ここをあと少し変えたら、もっと良くなるんじゃないか」と考えるのも結構面白いです。

今回のペティも何年か経ったときに「あのとき大きくして良かったね」となっていたら嬉しいです。

イボーナ 加藤

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