ほどけない靴紐の結び方
こんにちは。いつもpelletteria ibonaのブログをご覧いただきありがとうございます。
台風や大雨の被害が続いていますが、いかがおすごいかがお過ごしでしょうか。被害にあわれた地域の復興を心より願っています。
今回のテーマは靴紐について。先日、実店舗でもお問い合わせをいただきましたのでお話させていただきます。
以前も靴紐の記事を書いていますので是非そちらもご確認ください。
上の記事でも紹介していますが、ibonaではいろいろな靴紐を使用しており、ほとんどは仕入れた材料をさらに自社で加工して使用しています。中でも一番採用されているのがこの靴紐。通称丸紐です。
一般的な丸紐に比べて太く、ちょっとワイルドな印象のこの紐。ロー引きされているのでパリッとしていてフォーマルな雰囲気もあります。
デザインによっては平紐を使用するものもありますが、この丸紐が一番よく使われています。平紐に比べてスポーティさよりも上品なフォーマルさを前面に出したデザインです。この紐の端に金属セルを付けているので、フォーマルさとより高級感をもった紐になります。
この紐の良さはこの通りですが、一つだけデメリットがあります。太くて、ロー引きをされているためか、普通に縛るとほどけやすいという特徴があります。個人的な印象では白い丸紐より、黒の丸紐がより顕著な気がします。
一般的にスポーツシューズは紐同士がしっかりと食い込みあい、よりほどけにくい平紐を採用しています。逆に紳士靴、革靴ではフォーマルな印象の丸紐を採用することが多いと思います。目的の違いからこのように靴紐も使い分けが行われています。ibonaではフォーマルさとカジュアルさを兼ね備えたデザインとして現在の丸紐を採用しています。ibonaの丸紐はよくある丸紐に比べても太く、表面にコーティングされたようになっています。そのため紐同士が食い込みあいにくく、摩擦が小さくなります。その為上記のデメリットでもあるほどけやすさが出てしまいます。
つい先日のお問い合わせも、「靴紐がほどけるけどもどうすればいいだろうか」というものでした。こちらのお客様にお伝えした方法で、簡単にできる靴紐のほどけやすさ対策をご紹介します。
①靴紐がなじむのを待つ
この方法は特に何もしません。強いて言えば少しの間待つということです。この丸紐は表面にコーティングが施されています。そのため新品の状態では紐自体も少し硬くなっています。これがほどけやすさの一番大きな原因ですが、使用していくうちに、革と同じように紐同士がなじみ、柔らかくなっていきます。そうすると紐同士が食い込みあい、摩擦が大きくなるためほどけにくくなってきます。
そんなの待ってられない。という方は手でもんでみるといいかもしれません。一度靴紐を靴から外して手のひらで丸めてころころとしてあげると紐自体が柔らかくなります。
②結び方を工夫する
もう一つの方法がこれです。結び方を工夫するとそうそうほどけることはありません。紳士靴の靴紐がほどけやすいのはどのメーカーさんにとってもあるあるのようで、たくさんの紹介記事や結び方の動画が出てきます。その中から私が実践している一つをご紹介します。巷ではベルルッティ結びと呼ばれているそうです。革靴業界ではトップクラスの知名度と品質を誇るベルルッティですが、結び方にも名前がつくとはさすがですね。実際にやってみると決して難しいものではなく、むしろとても簡単にできる結び方です。実は私は昔からよくやっていた結び方で、野球やサッカーのスパイク、バスケットボールのバッシュでは結構一般的な結び方です。部活をやっていた方はとてもなじみ深いものなのではないでしょうか。簡単に画像でご紹介します。
まずは普通のちょうちょ結び。
一度クロスさせて。
そこからちょうちょに結んでいきます。
完成です。普通のちょうちょ結びですね。
次がベルルッティ結び。
普通にクロスさせます。
そしてさらにもう一度クロスさせます。
するとこんな感じになります。
次にちょうちょ結びです。
普通にちょうちょに結び。
もう一周させて紐を締めます。
出来上がりがこんな感じになります。
並べてみるとこんな感じです。左が普通のちょうちょ結び。右がベルルッティ結びです。
2回結ぶので結びめも二つになりますが、両側に一つずつという感じで、野暮ったくはなりません。そして二回結んだ分結びめも強くなり、ほどけにくさは折り紙付きです。
画像がわかりにくかった場合はぜひともベルルッティ結びで検索してみてください。
どんな靴もそうですが、1足1足に個性があり、履き方でも違いが出てきます。小さなことですが、今回のように結び方を変えるだけで使い道や使い方、またぐっと印象も変わります。結び方で改善するのも一つの手ですし、靴紐を交換してしまうのも一つの手だと思います。
靴紐は、全体に対しての割合は決して大きくないパーツですが、機能とデザインを決めるとても重要なパーツです。ぜひともいろいろと試していただいて自分だけの一足にしてみてください。
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