ibona新作革小物とバッグ作り

こんにちは。本日もpelletteria ibonaのブログをご覧いただきありがとうございます。太田です。

うちの近所にランドセル屋さんがあります。昔から名古屋は靴産業やバッグ屋さんが多い地域だったそうです。そのランドセル屋さんもおそらくご主人が長年一人でやっておられるようで、外から革の巻きやミシンが見える昔ながらの工房のようです。この前の週末に子供と散歩をしていると、そのランドセル屋さんから出てくる親子を見かけました。もう4月に入っているのでおそらく来年の入学式用なのだと思います。近年はランドセルも早めに注文して作る方が多いようです。数年後に自分の子供が入学式を迎える時にはこのランドセル屋さんにお願いしようかなと思います。もちろん自分で作れるようになるのが理想なんですけどね。

 

私はzuccottoがオープンする11時30分までは基本的にibonaの工房で製造にかかわったり、発送や事務仕事をしたりしています。今の時間は11時、zuccottoのオープンまで30分しかなく、何か作業をするには途中で時間が来てしまう中途半端な時間だったのでこのブログを少しでも進めようとしたんですが、まさかのネタ切れ、煮詰まってしまったので作業の様子を写真に撮ってみました。

 

これは店長加藤の作業の様子。作っているのはもうすぐデビューの新作、IDカードホルダーです。営業のお仕事をされている方々がよく首から名刺を下げているのをよく見ると思います、最近では社内に入るのに電子ロックを解除する企業さんも増えていて、営業の方以外でもIDカードを首から下げているのもみかけますね。100均などでも購入できますが、お客さんのところに伺うのにそれではあまりにみっともない。そんなご意見と商品の提案をいただき、本革の上質感とかっこよさのあるカードホルダーを今回企画しました。これは最終サンプルになりますのでそんなにかからないうちにショップのラインナップに加わる事と思います。

ちなみにこの作業は貼り合わせていることろです。各パーツを裁断し貼り合わせ、ミシンをかけて縫製をし、さらにそれらを貼り合わせて仮止めをし、さらに裁断します。簡単に作ろうと思えば裁断して貼り合わせて縫製をして完成でいいのですが、そこはファクトリーブランドのこだわり。縫製してからさらに裁断して、裁断と貼り合わせ、縫製を繰り返すことで革の断面を美しくし、パーツのずれを排除することができます。これにより完成品の出来上がりのクオリティが全然違ったものになります。とても細かく、よく見てもわからないくらいの違いかもしれませんが、これが昔から日本人が貫いてきた大事な事。完全日本国内生産、メイドインジャパンというプライドを垣間見ることができます。

余談ですが、加藤の指、細長いですね。こういった細かく精密さが必要な作業に最適な指ですね。

これはRINAさんの作業風景。これはzuccottoの新作、スクエアショルダーバッグです。企画とサンプル作成が終わり、完全な商品として店頭に並ぶ初回の製品になります。イタリアの一流タンナーさんから直接買い付け輸入したパイソンの型押し革を大きくふんだんに使用した贅沢なバッグです。世界的なハイブランドで使われるこの革をこれだけ使いながらもブランド料を含まない直売価格で販売しています。

画像の作業は革を張り合わせた角になる部分の革の断面を別に裁断した革で包む、パイピングという工程の準備です。綺麗に均等にパイピングをするために目印となるラインを引いているところですね。RINAさんくらいの職人であればなくても綺麗にパイピングできるのですが、ここもより高いクオリティの為に毎回必ずラインを引きます。コンマ1ミリのずれも許さない職人のこだわりです。

 

今回二人が使っていた道具がこちら。左が専用の糊とヘラです。このヘラは市販のものをやすりで削って先端を極限まで薄くカスタマイズしています。糊ぬりではハケや筆を使うこともありますが、今回の作業のようにコバ面(革の断面が見える面)に糊を付けるわけにはいかない場合はこのヘラを使って糊を塗っていきます。右のコンパスみたいなのはディバイダー。ほぼコンパスと同じ構造ですが、正確な幅で線を引くときなどに使います。ミリ以下の正確性、繊細さが必要な作業には欠かせない道具です。

 

今回はネタに詰まって写真を撮ってみましたが、見事にブログのネタとして書き込むことができました。ネタに煮詰まったときには多分こんな記事になることが多いかと思います。煮詰まったシリーズとして、工房の風景、作業風景もたくさんご紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

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