素材紹介 vol.5 – イタリアン・オイルワックスレザー『アラスカ』 –

こんにちは。
イボーナwebショップ店長の加藤です。

今回は、イタリアからやってきた味わいたっぷりの新素材。
『イタリアン・オイル・ワックス・レザー(アラスカ)』をご紹介します。
革好きの方におすすめのナチュラルレザーですよ！

本革といっても何の革？

お店やwebサイトを見ていると”本革”という表記をたくさん見ますが、一概に本革と言っても実際はさまざまな動物の革があります。
イボーナで使用しているのは「牛革」「山羊革」「豚革」です。

▲こちらは山羊革のポシェット▲

ただし、豚革の場合は、豚革単体で製品を作る事はありません。
豚革は強度もあり雰囲気の良い革ですが、イボーナでは主に靴や鞄、小物の裏素材に使用しています。裏にも本革を貼り合わせる事で高級感、耐久性のある革製品に仕上がります。
そして、アラスカは「牛革」となります。
アラスカには、山羊革や豚革とは違い、厚みがあり屈強な革です。

イタリアンレザーとは？

こちらも良く見る表記ですね。”イタリアンレザー”。
イボーナでは《イタリアで鞣された革》という意味で使用しています。
鞣すというのは、グロテスクな皮の状態から、腐敗しないように柔らかく、色を付けるなどの加工をする事で、鞄や靴に使える状態の革にすることです。
皮から革にするという事です。
なので、イタリアで育った牛を使った革ではないです。
あくまでイタリアで鞣した革です。

アラスカの場合は、フランス産の上質な原皮(加工前の皮)に拘って作られているんです。

また、イタリアンレザーは《牛革らしい素材を存分に感じられる》自然な風合いが特徴で、タンニン鞣しがお家芸です。
鞣しには2種類。タンニン鞣しとクロム鞣しがあります。
短く説明すると、
タンニン鞣しは革っぽい自然な風合いと経年変化の為に時間をかける方法。
クロム鞣しは、均一な色合いを綺麗に出す事ができ、大量生産できる方法。

一般的に流通している革の多くがクロム鞣しです。
これ革かな？？という革がクロム鞣し。
これ革っぽいな～！がタンニン鞣し。
クロム鞣しの方が価格が安いですが、高級なクロム鞣しももちろんあります。

そして、一般的にイタリアンレザーとはイタリアで鞣された革を呼びますが、イタリアンレザーのすべてが上質な革なのか？と問われると、答えはＮＯです。
イタリアにも安価な牛革はあります。
(安価な革の場合は輸入コスﾄもかかってしまうので、日本で手配したほうがコスパが良いかも。)

ということで、イタリアンレザーですよ！と押している革製品の多くは
《牛革らしい素材を存分に感じられるよ！》という場合か、
《とりあえずイタリアの革ですよ！》という、どちらかになります。

《アラスカ》は何が特徴？

アラスカという革を鞣しているのはイタリアのLa Perla Azzurra(ラ・ペルラ・アッズーラ)というタンナーです。
タンナーと言うのは革を鞣す業者のことです。
「イタリア植物タンニン鞣し革協会」にも入っている名門タンナーです。
↑
(これは化学薬品を使用しない地球に優しい革のみを作る協会です)

表面のワックス加工

アラスカは革の表面にホワイトワックスを吹き付けており、白いワックスは使い込むにつれて徐々に消えていきます。
そしてワックスが取れると、革本来の色が現れ始めるんですね。

ワックスを早く取りたい場合はブラシでこすると落とすこともできますが、ぜひ徐々に変化するイタリアンレザーを楽しんでほしいです。
※クリームなどを塗るとワックスが落ちてしまうのでご注意を。

場所によって異なる風合い

アラスカはタンニン鞣しなので、同じ一枚の革でも場所によって雰囲気はさまざまです。
中でも、シボとトラが特徴的。
シボはボコボコとした表情。

トラはシワのような線のような虎の模様のような表情。写真で言うと左上が目立ちます。

そういった個体が激しいので、在庫がある場合はwebショップでもご希望をお伝えいただく事で近いものを発送しています。

美しい経年変化

ワックスが取れながら徐々に経年変化していきます。
しかし表面のワックスが見えなくなってもまだまだ革は変化していきます。
艶を増し、色は濃くなっていきます。
それこそがイタリアンレザーの魅力なんですね。

本革初心者でも安心のケアいらず

そんな経年変化がありますが基本的にはメンテナンスフリーで愉しめます。
アラスカはもともとオイルをたっぷりと含んだレザーなので、油分の補給はよっぽど乾燥していなければ不要です。
財布や鞄の場合は手で触るものなので、特に不要ですが、あまり触れることない鞄はケアしてみても良いかもしれません。
ケアしなくても美しく変化しますが、ケアする事でさらに愛着はわいてきますよね。