経年変化レポート『ラッテ・ペンケース』vol.1

経年変化レポート『ラッテ・ペンケース』vol.1

こんにちは!!
イボーナの加藤です。

現在イボーナの工房では、自分を含めて5人の作り手が革製品の製作をしておりますが、それぞれのスタッフが1人につき数点はイボーナ製品を愛用しております。
せっかく愛用者が工房には溢れているわけなので、これからはスタッフの愛用品を定期的に紹介しよう。

なんて思い「経年変化レポート」を始める事にしました!!

イボーナの革製品の魅力と言えば、長く愛用する事で生まれる愛着と唯一無二の経年変化

ですが、こちらの記事では
製品自体の色合いや質感だけでは無く、「どんなふうに使ったのか?」「どれくらい使ったのか?」「どんなケアをしたのか?」なども詳しく解説してきます。

イボーナスタッフの愛用品紹介<第一弾>

『ラッテ・ペンケース』

ちょっと恥ずかしいけど記念撮影

  • 革   :スクラッチ・オイルレザー
  • 色   :エバーグリーン
  • 製品  :『ラッテ・ペンケース』
  • 使用期間:約1年

スクラッチ・オイルレザーは革の表面に小さく丸い傷をたくさんつけたイタリアンレザーで、最初はマットな質感。植物タンニン鞣しと呼ばれる手法で生み出される革で、使い込むにつれて艶が出て色が濃くなっていくのが特徴です。

普段はこんな感じで鞄の中に立てて収納しており、中にはペンが5.6本と交換用のボールペン芯がはいっています。(たまに工房にボールペンを忘れるので5本の時と6本の時があります。という意味で5.6本)

(最大で10本程度は入ると思いますが、個人的には5.6本が使いやすいかな)

さて、どんな感じで使っているのかというと、
職場(工房)では週に1日はズボンやエプロンのポケットへ。
週に2日は机の上に。
週に2日は鞄の中へ入ったまま。
お休みの日は机の上に置かれる時と鞄に入ったままの時があります。

くらいの使われ方をしております。(感覚的にはだいたいこんな感じ)

ふんわりとしたフォルムのペンケースですが、開けたり閉めたり潰されたりを繰り返しながら、くったりと柔らかく成長しています。

角の部分は擦れる事も多いので、他の部分と比べて色が濃くなっています。

『ラッテ・ペンケース』はロゴが裏に隠れています。ロゴの下には線がありますが、いつ何で付いたのかはわかりません。

経年変化をイメージして合わせられたグレーっぽい落ち着いた色のステッチもいい感じに馴染んでました。

そして、今回特にお見せしたいと思ったのが、日焼けによる色の変化です。

イボーナの革製品はすべて「オイルレザー」という分類の革を使っており、最初から革が油分を含んでいる為、特別なケアはせず直接触って日常使いをしていく事で綺麗に経年変化していく。というのが特徴です。

ですが実は使わなくても経年変化は起こります。

それが日焼け🌞

こちらの写真、右上側が日焼けした色。左下が焼けていない色です。

普段ファスナー側を上にして机に置くので、表裏で色が変わっています。
(ファスナー側を下にして置くキテレツな人は逆verになります)

焼けていない面はもともとの緑がほぼそのまま残っており、焼けている側は緑の鮮やかさが若干抜けて黄色味を増しています。
裏表問わず艶感は全体に見られますが、表側は渋い色合いに変化しているのがわかります。

「グリーン」という感じでもないですね。

ちなみに、ペンケースの内側(中側)は綺麗なままでした。

筆箱というと中が汚れているイメージもありましたが、鉛筆や消しゴムを入れていないからか、綺麗につるつるのままでした。
普段すべてのペンを出す事が無いのでちょっとした発見でした。

イボーナ加藤の『ラッテ・ペンケース』お手入れ方法

最後にお手入れ方法です。
今回ご紹介したペンケースのイボーナ加藤のお手入れ方法は「何もしない」です。

厳密には、毎日たくさん触ってたくさん使う。という感じでしょうか。

革製品といえばケアをしながら永く愛用。というイメージがありますが、

スクラッチ・オイルレザーの場合は、本来の経年変化を楽しむためにブラッシングや乾拭きによるホコリ落とし程度に留めておくのがおすすめ。全体にレザーケアクリームなどを塗ってしまうと、艶感こそ増すかもしれませんが、スクラッチ・オイルレザーならではの自然な経年変化やその過程を楽しめなくなってしまいます。

単調ではない経年変化のムラ感=味わい

今回の『ラッテ・ペンケース』で全体的に共通しているのは、もともとマットな革質に艶感が増している事。
ですが
色合いは表と裏で異なり、
色の濃淡も場所によって異なっています。

頻繁に擦れる箇所は濃くなったり、鞄の生地(帆布)と当たった跡があったり。


ということで、
経年変化レポート第一弾はイボーナ加藤の愛用品『ラッテ・ペンケース』でした。

そして、
ここで忘れずにお伝えしたいのですが、経年変化は人それぞれです。
どれくらい光に当たっているのか?どれくらい触っているか?時間や頻度、革の状態や持ち運び環境などで経年変化は異なり、変化のスピードも人それぞれです。

資源の有効活用である本革。
そしてその中でも、生産環境や環境負荷に厳しいイタリアのタンニン鞣し革の魅力が少しでも伝わりましたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき有難うございました。

第2弾もお楽しみに!!

イボーナ 加藤

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