靴えらびのポイント④ こんなケースがありました編

こんにちは。いつもpelletteria ibona のブログをご覧いただきありがとうございます。

 

皆様GWはどう過ごされたでしょうか。私は家族とディズニーランドにいってきました。GWは鬼混みだったようですが、私たちは連休を世間とずらしたので通常の平日。一般の連休明け1日目になったのでがらがらでした。どのアトラクションも長くて30分待ち。とても快適に回れました。ディズニーランド初体験の、来月3歳になる娘はずっとハイテンションで楽しんでくれていたようです。

 

日中はお店に立っている私ですが、先日こんなケースがありました。もしかしたら靴選びのポイントにもなるかもしれないと思いご紹介します。

簡単に説明しますと、同じ木型で作った靴でもデザインにより合う合わないがはっきりと出たケースです。

どんな方でもこの靴はいい。この靴は合わないという経験をしたことがあるかと思います。

私自身、ジムで使うようなランニングシューズですと、ナイキかニューバランスしか履きません。他のメーカーのもので履いたことのあるものは必ず足が痛くなってしまいます。しかも靴擦れのような表面的なものではなく、足の内部のような痛みで、原因はわかりませんがどうにも我慢ができないような痛みです。さらには同じナイキの靴でもエアフォースは履けてコルテッツのような靴は履けません。経験上ですが、こういった傾向を持っているようです。

今回はさらにそれを掘り下げたケース。同じメーカーで同じ木型を使っていても起こりうるケースです。

 

上質な素材と職人の手で一つ一つ作られる完全国内生産のibonaのレザースニーカーですが、姉妹ブランドzuccottoの実店舗でも販売しています。ここではネット販売では不可能なフィッティングや履き比べができるとご好評をいただいています。先日お越しのお客様は

アクアシュリンク / ダービーレースアップ・スニーカー〈オールブラック〉

アクアシュリンク / ダブルモンクストラップ・スニーカー〈オールブラック〉

この2足で迷われていました。毎日仕事で長く歩くことが多いそうで、最近推奨されているスニーカーでの通勤、営業を始めたいとのことでした。

そこでご紹介した上の2足。撥水機能や何よりもその軽さとクッション性に感動してくださいました。

サイズは普段27cmか27.5cmとの事です。靴選びでは足長やワイズなども重要なポイントになりますが、男性の場合ですと、甲の幅、甲の周囲も重要なポイントになります。それ以外にも指先から指の付け根への角度や甲の傾斜など合う靴を探すにはたくさんのポイントがあります。

このお客様の足は幅が広く少し外反母趾気味(男性でも外反母趾には普通になります)。足先部分は比較的薄い足をしていらっしゃいました。スーツで履きたいとのことでこのオールブラックの2足から選ぶとのことでした。デザインはどちらかといえばダービーレースアップスニーカーが好みとのことでした。足長では27cmが適正かと思いますが、足幅の広さがあるため強いきつさを感じてしまい、長く歩くと痛くなる気がするとのことです。27,5センチにすると足の先部分の薄さから足が前に出てしまうため踵に隙間ができてしまいます。甲部分も高さがないため靴紐を締めても後ろで止めることができませんでした。

そして何よりも問題なのがチップ部分が足に当たり痛いとのことです。ステッチと革の継ぎ目になるのであたる方にはとても気になる部分のようです。

最初からこちらのダービーレースアップスニーカーをお求めで来ていただいていたので残念ではありましたが、次にお見せしたダブルモンクストラップスニーカーも試着していただきました。こちらは履いた感触がすごく良かったので「こっちに変更する」と即決をしていただきました。

正直私もこのチップがこんなに大きな問題になるとは思ってもいませんでした。そういった意味で今回はとてもいい経験ができたと思います。

改めて2つを並べて写真を撮ってみました。比べてみるとチップの位置がかなり違います。1cmは差があるかと思います。どちらもチップより上のストラップや羽根とのバランスをとり最適な位置にステッチをいれるデザインです。今回のお客様はチップが甲に近いダービーレースアップスニーカーは合わず、チップがつま先に近いダブルモンクストラップスニーカーが合うという方でした。また、今回のお客様は足先から甲にかけて薄く高さがないためより足先に近い部分から押さえて止めるデザインもよかったのかもしれません。

どちらも同じ木型で製造している靴です。ですので一つの靴が合えばどのデザインも大丈夫という方が比較的多いですが、デザインやカットの違いで合う合わないが出てくる場合も当然あります。今回がそのケースです。今回とは逆にダブルモンクストラップが合わずにダービーレースアップが合う方もいらっしゃると思います。

販売員として靴選びのお手伝いをしていますが、ぴったりしているとか、ちょっときついけどどうだろう、くらいですとそのまま履くのをお勧めすることが多いです。合皮を使用した靴はずっときついままが続きますが、全て天然皮革を使用していますので、伸びて脚に馴染んでいきます。しかし、今回のように履いてすぐに痛かったりとても気になるようですとやめることをお勧めしています。そういったケースでは履かなくなるか、とても痛い思いをすることになってしまうからです。

 

靴選びの妙といいますか、どちらが良い悪いではなくその人に合う靴を探すというのはとても興味深い作業です。足長、幅、甲の高さ。他にも指の長さや傾斜など考える事、見る点はたくさんあります。その上でデザインやフィット感の好みやお客様が重要視しているポイントなど、声を聞きながら最適な木型を選び、同じ木型でもデザインにより変わってくる違いなどを分かりやすく説明し、靴選びのお手伝いをする。

そのためにも自分なりの考察を繰り返し、お客様の言葉をたくさん聞くことで経験を積んでいくのが一番必要で大切なことなのかなと、勉強の毎日です。

zuccotoは女性のお客様が多いですが、男性のお客様も一緒に来られたりと結構たくさんいらっしゃいます、女性のお客様のケースも、今回のように男性のお客様のケースも、これからも読んでくださる方の参考になるお話をどんどんしていこうと思います。

 

 

 

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