スニーカーのソール交換(オールソール)
イボーナ/ibonaのレザースニーカーはすべてが本革+日本製という事で、スニーカーとしては決して安いものではないと思いますが、
ハイブランドの革靴で使用されるような、上質な皮革を使用している珍しいスニーカーです。
▼なかでもイタリアンレザーを使用した、手染めのスニーカーの風合いは別格です。▼
ちなみに今回はこちらのダブルモンクストラップスニーカーのソール交換をご紹介。
革のお手入れや、時にはソールを交換しながら
永くイボーナの靴を愛用していただく為に
スニーカー通勤などにも使えるような、 “大人の上質スニーカー”
そんな贅沢なレザースニーカーですが、やはり靴底の消耗は避けることができません。
「履きつぶしたら新しいものに買い替える」
というのも良いのですが、
やはり本革という事でアッパーは元気な状態、むしろ成熟された状態にもなっているかもしれません。
どんなに高価な靴でも靴底がすり減ったら終わり!
では悲しいかと思いますので、
当店では工房直売のブランドとしてソール交換も受け付けております。
まずはソール交換のビフォーアフターをご覧ください
▼こちら、交換前の状態です。▼
それなりにソールも汚れ、だいぶ擦り減っている状態ですね。
アッパーは何度かケアをしていましたが、汚れている状態です。
そんな靴のソール交換(オールソール)をしてみました。
▼交換後▼
本革らしく味わい深く変化したアッパー(革部分)はそのままに、ソールのみが新品になりました。
工房直販のファクトリーブランドなので、販売時と同じ既製品仕様で交換ができます。
経年変化した革も綺麗に磨きをかけて、味わい深く、自分の足にしっかり馴染んだ状態のままソールが綺麗になる。というところがポイントだと思います。
ただ新品のように「元に戻る」というわけでは無いんですね。
こういったソール交換をご活用いただく事で、自分だけの履き皺が入った愛着のある靴も、手入れをしながら永くお履きいただけます。
それも革靴ならではの、大人のスニーカーの愉しみ方だと思います。
交換できるソールの種類(2019/02)
まず、イボーナのレザースニーカーで使用しているソールは2種類ありますが、どちらもイタリアのソールブランドで、とても機能的なソールです。
vibramソール
一つめは聞いたことがある方も多いと思います。イタリアのソールメーカーでありながらソールのブランドとしての知名度はおそらくNo,1のビブラムソール(vibram)。ほどよいボリューム感があり、登山靴から始まったソールブランドです。
extralightソール
もう一つは、ヨーロッパでは人気、知名度共に抜群のエクストラライトソール(extra light)。こちらもイタリアのもので、フィンプロジェクト社が手掛ける軽量ソールです。スタイリッシュでシンプルながらも特徴的な表情をもつソールです。
イボーナではこの2つのソールはどちらも工房でストックしている定番品となります。その為、基本的には常時ソール交換に対応することができます。
(※既製品ではない、別のソールへの交換は行っておりません)
どのようにソールをつけるのか?製法は?
少し話がそれますが、せっかくなので次はアウトソールを取り付ける製法について紹介します。
イボーナのスニーカーは、すべてオパンケ製法(サイドマッケイ)にて底付けされております。
靴底とアッパーを縫い付ける、ビジネスシューズなどで多いマッケイ製法に近いイメージになるかと思いますが、イボーナのスニーカーの場合はサイドを一周ミシンで縫い付けています。
1足1足職人によって縫い付けられているので、強度も高く、剥がれる心配もありません。
ここからは、どのようにしてソール交換をするのか、少しだけご紹介します。
ソール交換の様子を簡単にご紹介
靴をラスト(木型)に戻す
ソール交換をするためには、ラスト(木型)と呼ばれる足の形をした型のようなものに、一度靴を戻す必要があります。
その際に使用する木型も、製造時に使用していたものと同じものを使用します。
古いソールを取り外します
糸をすべて切ってから、ゆっくりとソールを温めます。当店では糊によるセメント製法と糸で縫うオパンケ製法を併用しているので、最後は温めてソールを剥がします。
ソールを外したらアッパーを綺麗に
ソールへの汚れの付着を防ぐために、ソールを外した段階でアッパーのクリーニングや補色が必要な場合は色を入れます。履き皺を極端に伸ばすことなどは行いませんが、この段階で一度アッパーを綺麗にします。
写真はカラーの靴クリームのみを使用し軽く磨きあげた状態です。
左 : 未仕上げ 右 : 仕上げ済
新しいソールを底付け
最初の底付け同様に新しいソールを取り付けます。ソールと同色の糸を使用し、オパンケ製法にて専用のミシンで1針1針丁寧に縫い付けていきます。アッパーで使用する細い糸ではなく、専用の太い糸を使用し、糸の終始点を丁寧に熱処理します。
5.木型を外し、再度仕上げ直し
木型を外してから、再度仕上げ直しを行います。中敷きの交換も可能ですが、ソール交換だけの際は、元の中敷きを戻して完成です。
価格について
ソール交換(オールソール) ¥8,500~
中敷き・インソール交換 ¥2,900~
日本製、本革ならではの大人の愉しみ
やはり日本製の革靴である以上、永く履いていただきたい気持ちもあります。
せっかくのメイド・イン・ジャパン。しっかりと履きつぶして新しい靴に変えるのも良いですが、ソール交換やレザーのケアをしながら永く履くのも、また1つの楽しみになると思います。
“革を育てる愉しみ”
ですかね。
以上ソール交換についてでした。