ディティールへのこだわり~レザースニーカーの靴紐編~
こんにちは。本日も Pelletteria ibona のブログをご覧いただきありがとうございます。
最近娘のこだわりにうんざりしてきている太田です。保育園に行く服やおむつまでこれじゃないと嫌だと全く聞き入れてくれません。自我が育っているのだと嬉しい事ではありますが、これが毎日ことあるごとだとぐったりしてしまいます。
そんなことを考えていると、こだわりつながりで思いつきましたので今日はibonaのレザースニーカーのこだわりの一つ、靴紐についてお話させていただきます。
ibonaのレザースニーカーはどれも作り手、職人のこだわりや、開発者、デザイナーのこだわりなどたくさんのこだわりが詰め込まれています。革はイタリアから直接輸入したイタリアンレザーや、ナチュラルなヌメ革を一足一足手染めで仕上げる物。国内のタンナー(革製造会社)にオーダーを出して、ibona専用の革を作ってもらったり撥水加工を施してもらった物など、素材の主役となる革には並々ならぬこだわりが詰め込まれています。他の素材でもアウトソールはイタリアのフィンプロジェクト社のエクストラライトソールやビブラム社のソールなど、原価がものすごくかかってしまっても、本当にいいと思えるものを直接輸入して使用しています。国内にいい材料がないと思えば社長が直接イタリアへ赴き、タンナーさんやソールの会社と直接やり取りをして仕入れてきます。社長は最高の部材探しに余念がなく、毎年イタリアの展示会に必ず足を運び、新しい素材を仕入れ、よりよい製品を作り上げていきます。
レザースニーカー以外でもバッグや小物に使う革にはこだわり、こちらも撥水加工や柔軟性に富む革など、使うお客様に快適に使っていただき長く愛される素材を模索します。他にもファスナーは必ず、抜群の信頼と実績を誇るYKK社のファスナーを使用しますし、それ以外の金具も妥協することなく最高の物をたくさんの業者さんとやり取りを繰り返し、探し出していきます。
このように挙げればきりがないほどのこだわりがありますが、今回はデザイナーのこだわりでもあります靴紐を取り上げてみます。
まずよく見かけるものを含め社内にあった靴紐をいくつか並べてみました。
一番右は細めの丸紐です。その隣、右から2番目の紐は平紐です。次に右から3番目。これは細めの平紐に金属セルを付けたものです。最後は丸紐に金属セルを付けたものです。
4本を並べると違いがよくわかりますね。一番右の丸紐は細く、糸も細いものを結って作ってあります。紳士のフォーマルな革靴で使いますが、靴紐をデザインの一部とせず、悪目立ちしたり邪魔をしないようにするためなのかな、と思います。伝統的にこのような紐は、上品さが必要なフォーマルな靴で見かけます。2番目の平紐はよりスポーティなイメージです。平紐の形は固定する力を必要とする、紐本来の役割を一番果たしてくれます。同じ理由から結び目がほどけにくいのも大きな長所だと思います。ランニングシューズなどのスポーツシューズは必ず平紐を採用しています。3番目は2番目を少しカジュアルにし、オシャレ靴に使えるようにしたタイプの紐です。一般的にはプラスチックのセルで端を固めてありますが、これを金属セルに自社で交換しました。こうするだけで上質感と、男性っぽいいかつさが少し出てきます。最後は太い丸紐に金属セルを付けたもの。これはibonaで一番よく使うタイプのものです。一番右の丸紐に比べて太めの糸で結ってあり、男性らしい強さと、どこかかわいいカジュアルな感じになります。ショッピングモールなどの靴屋さんにも勉強のため足を運ぶことが多いのですが、この丸紐を使った靴、さらには金属セルを使った靴は全くと言っていいほど見かけることがありません。
この紐はibonaのデザイナーのこだわりです。カジュアルさと上質さ、また履いていただくお客様の姿をイメージし採用した紐になります。
違いを感じていただけるように写真を撮ってみました。
写真にして並べてみると結構違いを感じてもらえるかと思います。
個人的には上から下に行くごとに、よりデザインにあっていく気がします。細い丸紐はあからさまにアンバランスですね。合わな過ぎてコメントのしようがないです。平紐は革の持つ雰囲気にに全くマッチしておらず安っぽい感じが出てしまいます。3番目はほどよい太さと金属セルが上質感をだしていますが、どことなくのっぺりした印象です。4番目は見慣れている事を差し引いても一番合っていると思います。このペールブルーの軽やかな色味と革らしい雰囲気を紐の色と太さ、麻のような少しごわついた感じが程よく引き立てあっている気がします。
こんな感じで靴が出来上がるときには靴紐もいろいろなものを試して一番デザインに合うものを選んでいきます。仕入れることができるものを何種類も用意して比較し、それでもベストなものが見つからないときは自社で作る。この白い丸紐も、自社で加工しています。仕入れたものならただ通すだけで済みますが、これは、ちょうどいい長さに切った後に金属セルを専用の機械を使って取り付け、その後にさらに切ったり断面を処理したりととても手間がかかります。それでも作り手のこだわり、デザイナーのこだわりから必要不可欠なものです。そのこだわりはあくまでもお客様のため。小さなことかもしれませんが手間をおしまず今日もibonaのレザースニーカーは作られています。
ディティールへのこだわりということで靴紐についてお話させていただきました。本当は靴紐の通し方まで書きたかったのですが、ボリュームが予定をオーバーしてしまったのでまた後日にいたします。
ぜひ楽しみにお待ちください。
株式会社名進
Pelletteria ibona
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